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「医療ネット21」に掲載。

上下水道普及で減少 ピロリ菌感染率を調査

慢性胃炎の原因となり、胃がんとの関連も疑われているヘリコバクターピロリ菌の感染率は、過去に上下水道が普及しているほど下がる。こんな傾向を、愛知診断技術振興財団の植田美津恵理事らが都道府県別検査データから確かめた。

同財団は1995年から郵送法指揮でピロリ菌の検査を実施している。30-70歳の男女計80人以上のデータがそろった秋田、宮城、東京、愛知、大阪、福岡の六都府県の感染率と75年の上下水道普及率の関係を調べた。対象となったのは約7200人分。各都府県の男女や年齢分布がほぼ等しくなるようにした。

上下水道がよく普及していた都府県ほど、ピロリ菌の感染率は下がっていた。グラフで示すと、相関関係がはっきり認められた。上下水道とも普及率が低かった秋田県がピロリ感染率70%と、六都府県の中で一番高かった。逆に、水道普及率が最高の東京都では、感染率が55%と一番低いレベルになっていた。この郵送検査では、年代別の感染率は30歳代で40%台、40歳代で50%を超えて、50歳代では60%と、従来の他の調査結果と符合した。

このため研究グループは、郵送検査データが各都府県の感染率を反映しているとみた。ドイツでも同様の結果が報告されている。その人が子どものころに、水道など衛生環境が改善されていれば、ピロリ菌感染は減少する。

植田さんは「ピロリ菌はいったん感染すると、除菌しない限り、その人の胃の中ですみ続ける。しかし、水道の普及で新たな感染は減る。これで飲料水が感染経路の1つである可能性が強まった」と話している。

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